タイヤ

タイヤの寿命と交換

 
クルマを車たらしめている能力に、「駆動力」と「制動力」と「操舵力」という3つの力があります。いうまでもなく、「駆動力」というのは、クルマを走らせる力であり、「制動力」というのは、クルマをストップさせる力であり、「操舵力」というのは、進行方向を変える力です。

しかし、クルマにおいて、この3つが実際上の力を発揮するのは、いづれも「タイヤ」を通してでなければ不可能です。それほど、タイヤというのは、クルマにおいて重要なパーツであり、必要不可欠なものです。

タイヤは、内部に充填された空気の圧力によって、その機能を発揮できます。しかし、その空気圧は適正な値のものでなければ、その機能を充分に発揮できないばかりでなく、走行上、危険な状態を惹起しかねません。

適正な空気圧は、車種毎に、タイヤサイズとともに決められています。通常、愛車の適正空気圧は、運転席側のセンターピラーの下部かドア枠側面にラベルが貼付されています。

適正値を超えて空気を充填し過ぎると、タイヤが膨らみ過ぎるというだけでなく、タイヤ接地面(トレッド)の中央部分だけが路面に強く触れることになり、この部分だけ摩耗が激しくなり、全体的には路面のグリップ力も低下するので、危険な走行となります。

反対に、適正空気圧以下まで空気が抜けていると、接地面の中央が凹んだ状態になり、左右両側のヘリ部分だけが、強く路面にあたることになるので、この部分の摩耗がより進むということになります。また、空気圧が低い分、上下の伸縮が大きく頻繁になりタイヤの劣化を進めてしまいます。

また、通常でも、タイヤとホイールのわずかな隙間から空気が抜けて、空気圧というものは自然に下がっていくものですが、空気圧が低いとタイヤが上下により伸縮するため、この隙間ができやすくなり、空気圧が下がるのも早くなります。したがって、日常からタイヤは空気圧を正常に保つよう、定期的に点検測定することが重要になります。

空気圧は、ディーラーなら6か月や12か月の定期点検時には、信頼できる測定をしてくれるでしょうが、ガソリンスタンドによっては、使用頻度の高さから計測器の表示がアバウトであったり、あまり信用できないということもあろうかと思います。

そのような場合は、空気圧計測器(タイヤインジケーター)が、1個あたり800円程度から(〜3000円位か)販売されているので、カー用品店などで購入してみるのがよいでしょう。

この空気圧計は、とても簡単に計測でき、タイヤ4本全部計っても最初でも10分も要しないでしょう。タイヤインジケーターは、ダッシュボードにいつでも使えるよう仕舞っておきたいものです。

タイヤ

その他、空気圧のほかにタイヤの適正値を測るものとして、タイヤの「溝の深さ」があります。

タイヤには「溝」が刻み込まれていますが、これが何のためにあるかというと、これは、路面の雨水を逃がすためのものです。雨の路面をタイヤが押しつぶしていけば、水は四方八方に飛び散るように見えるかもしれませんが、これが高速で走行するとタイヤと路面の間に水が入り込んだ状態となり、車が水の上を滑るようになり、ハンドルやブレーキが利かなくなることもあります。これを「ハイドロプレーニング現象」と呼びます。

この現象は、もちろんスピードの出し過ぎによって起こるものですが、路面の水量も関係しますが、タイヤの溝の磨耗が大きく関係しています。したがって、タイヤの「溝の深さ」が、あなたの命を守ることもあるのです。

この「溝の深さ」が、最低どれくらい必要かというと、「1.6mm」より多くあることが必要です。残り溝が1.6o以下になったら、スリップサインも現れてくるので、もうタイヤの寿命だと思わなければなりません。スリップサインは、サイドウォールに数か所ある△や矢印の先のトレッドのところを見るとありますが、この部分だけ他の部分より溝が1.6mm浅く造ってあり、危険ラインがわかるようになっています。

こうなるとタイヤを交換しなければなりませんが、タイヤの寿命は「溝の深さ」だけではありません。タイヤの「経年劣化」も頭に入れておかなくてはなりません。

タイヤは、新しいうちは、路面の凹凸から受ける振動や衝撃を、空気バネとしてうまく吸収することができますが、タイヤを構成する主成分であるゴムは、年月とともに温度差の負荷や紫外線を浴びることによって、ひび割れが生じたり、徐々に劣化して硬くなっていきます。

そうすると、ゴムが硬化したぶんグリップ力が低下し、高速ではコーナーリングが大きく逸れたり、ブレーキの制動距離が延びたりします。したがって、このタイヤの「経年劣化」に対処するためには、ある程度の使用年数で、タイヤも見切りが必要になってきます。

この使用年数は、おおよそ5年程度と見るのが一般的です。したがって、以上のことから、タイヤの交換時期、つまり寿命をどう判断するかというと、
1.タイヤの残り溝が、1.6mm 以下になったとき
2.新品のタイヤから、5年経過したとき
※.上記のいづれかの早く訪れたとき
ということになります。

なお、最後にタイヤを購入するときのタイヤの規格表示の見方を紹介しておきます。たとえば、タイヤのサイドウォールに、
185/70R14 88S
と記載されてあった場合、「185」というのは、タイヤの幅をミリメートルで表わしています。

「70」というのは、「偏平率」で、タイヤの幅に対する高さの割合のことを言います。偏平率は、その数字が小さくなるほど、より低偏平化し接地幅が広がり、サイドウォールの高さが低くなります。偏平率は、時代とともに低偏平化する傾向を示し、最近では偏平率30%というタイヤもないではありません。

低偏平率タイヤは、サイドウォールが低いので、“たわみ”が少なく接地面積も大きいためコーナリングで強みを発揮し、安定した回転軌跡を描くことができます。というよりも、よりスピーディにコーナーを切ることができるので、人気があると言うこともできるでしょう。

もちろん、低偏平率タイヤは、サイドウォールが低くなるので、上下にしなやかに伸縮する“たわみ”が少なくなり、乗り心地が低下するという欠点があります。しかし、いまはサスペンションの性能も良くなったので、極端に偏平率を下げないかぎり、乗り心地が低下した、とはあまり感じないのではないでしょうか。

「R」というのは、ラジアルタイヤを表す記号です。
「14」は、このタイヤに適合するホイールの直径をインチで表しています。1インチは約2.54cm。
「88」は、そのタイヤ(1本)に負荷できる最大負荷能力(最大荷重)を示す数値です。「88」は荷重560(kg)。「荷重指数」は、ロードインデックスとも呼ばれます。荷重指数は、そのタイヤがどれだけの重量に耐えられるかを示す最大数値です。

「S」というのは、速度記号です。
「Q」は160km/h、「R」は160km/h、「S」は180km/h、「T」は、190km/h、「H」は210km/h、「V」240km/h、「ZR」は240km/h超、を表します。